少子化対策、最後のチャンス
昨日公表されたこども子育て支援加速化プランを、私自身は好意的に受け止めています。この間、区議会でも力を入れて取り上げてきた児童手当の拡充や所得制限撤廃 を始めとして、保育士の皆さん等の処遇改善、育休制度の拡充など、これまで実現できていなかった項目の多くを前進させるバランスの取れたプランであると感じています。
その上で、課題を3点挙げたいと思います。
1点目はスピード感。3年かけて実現へと結びつけていくとのことですが、子育て期間における3年間は決して短い期間ではありません。経済的な理由から子どもをつくることを躊躇する家庭にとって、何より重要なことはタイミングだと思います。将来に渡って、「子育てに係る経済的負担が軽減される」という安心感をいち早く得られることが、出生数反転のカギになると考えます。そういった意味で、児童手当の拡充や所得制限撤廃など、3年の期間を待たずに、出来ることから速やかに、実施していくことが不可欠です。
2点目は障害児福祉における所得による理不尽な線引きが盛り込まれなかったこと。
特別児童扶養手当、通所支援や補装具支給費の自己負担に関わる理不尽な線引きなど、障害児福祉の分野においても複層的な所得制限が大きな課題となっています。こうした課題の所管は厚労省かも知れませんが、今後、こども家庭庁が中心となって、議論をリードしていくことを期待します。
3点目は財源を巡る課題です。恐らく今後、社会保険料の増額を中心とした財源確保策が主要なテーマとなってくると思います。私自身は以前からお伝えしている通り、「財源は有限」という認識を持っているので、ある程度の負担増はやむを得ないと感じていますが、同時に必要なことは歳出削減の取り組みであると感じています。
これまでのように、医療費が青天井で給付される制度をこのまま続けていけば、制度が破綻するか、現役世代が破綻するか、のどちらかとなる結末は容易に予想できます。負担増の議論と同時に給付抑制の議論をしっかりと展開し、将来に渡って持続可能な社会保障制度を構築していくことが必要です。是非そうした議論を期待したいと思います。
昨年、練馬区議会をはじめ、多くの地方議会から「子育て支援の拡充を求める意見書」を提出させて頂きました。
そうした要望も加味して頂いた結果、今回のたたき台をまとめていただいたこと、改めて感謝するとともに、練馬区としてもさらなる子育て支援の拡充に向け、引き続き、力を尽くしてまいりたいと思います。