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2020.12.14

一般質問ご報告① (子育てスタート応援券編)

【鹿島の質問】

子育てスタート応援券に関して伺います。

当事業は、我々の会派の提案を具現化する形で、平成21年からスタートして頂き、この間、メニューの拡充や有効期限の延長など、支援内容の充実を図ってきました。平成29年からは、それまで把握できていなかった利用率を取得するシステムを導入し、実際の利用状況の把握に努めて頂きました。支援の充実を一つひとつ着実に図ってきて頂いたことは一人の親としても感謝したいと思いますが、事業としてはまだまだ改善する余地があるというのが正直な感想です。昨年度の実績を確認すると、応援券を期限内に1枚でも利用したことがある方の割合、いわゆる利用者率は42.1%。また配布された8枚のうち、何枚が利用されたかの割合、いわゆる利用率は27.4%で、いずれも利用状況の把握を始めた平成29年から、徐々に微増傾向にあるものの、十分に活用頂いているとは言い難い状況です。まずはじめに、区は現在の利用実績の数値をどのように捉えていますでしょうか。また実績が振るわない要因をどのように分析しているか、2点お答えください。

 私もこれまで、たびたび取り上げてきましたが、応援券を使わない理由として、「利用するまでの手続きが面倒」、「利用したいメニューが少ない」といった声が挙げられています。

応援券自体は、出生届提出後、約1週間ほどで、自宅に郵送されるので、特段の手続きは不要ですが、実際のサービスを利用する際は、利用するまでにいくつかの手続きが必要となります。例えば、ファミリーサポート事業に関しては、まず初めに「登録申請書の郵送」、その後、「利用したい日時の連絡」、さらに「援助会員との事前の顔合わせ」、といったように3つのステップをクリアしてようやく利用することが可能となります。乳幼児一時預かり事業に関しても、「利用登録をするための親子面談の予約」、その後、「登録申請書を記載の上、面談」という2つのステップが必要です。どちらも大切なお子さんを預かる事業なので、事前に顔合わせや面談等を実施し、お子さんの状態の把握や不安点の解消を図っておくことは、預ける側預かる側、双方にとって必要である点は理解できます。一方で、事前の登録書の郵送や面談の予約といったステップは、もっと簡素化できるのではないかと考えます。

産後はただでさえ、肉体的にも精神的にも大きな負荷がかかっています。食事や睡眠等、満足にすることが出来ない中で、書類の記載、切手の購入や郵送、面談予約の電話など、いくつものステップを乗り越えることは容易ではありません。またファミリーサポートと乳幼児一時預かり、それぞれ別々に書類を提出しなくてはいけない点も、利用者目線にたっているとは言えません。例えば、オンラインで登録が出来る仕組みとなっていれば、授乳中であっても、スマホ片手に登録を行うことが出来ます。また一時預かりとファミサポ共通のフォーマットとし、その場で、面談や顔合わせの希望日を申請できるようにすれば、利用までのハードルを格段に下げることができると思います。是非、こうした仕組みの導入を進めて頂くことを要望します。区のご所見をお聞かせください。

メニューの拡充に関しては、これまで私立保育園等が実施する一時預かりの追加を要望してきました。各園により条件が異なるといった課題があるとのことでしたが、利用券1枚の金額設定を行うことにより、解決することが可能と考えます。併せて、そうした仕組みを導入することにより、私立幼稚園が行うプレスクールや医療機関が実施するインフルエンザの予防接種の支払いに活用するといった可能性も広がります。是非、こうした視点からのメニューの拡充を提案いたしますが、区のお考えをお聞かせください。

子育てスタート応援券が、経済的な負担も含めて、子育てに関わるあらゆる負担を軽減させ、真にスムーズな育児の導入を応援できる制度となるよう、さらなる充実を期待します。

 

【区の答弁(教育長)】

子育てスタート応援券は、出産直後の不安や負担を軽減し、育児を円滑に進めることを目的とした事業です。応援券を1枚でも利用している方の割合は増加傾向にあるものの、令和元年度時点では42.1%に留まっています。利用者アンケート調査からは利用したいメニューが少ないことが、主な要因と捉えています。

支援メニューについては、ファミリーサポート事業と育児支援ヘルパー事業の2事業から順次拡大しており、今年度は利用者アンケート調査で希望の多かった産後ヨガ等の子育て支援講座を新たに加え、6事業となっています。今後、事業目的や区民ニーズを踏まえ、サービス提供事業者と協議を進め、支援メニューの充実を図ってまいります。

ファミリーサポート事業や乳幼児一時預かり事業の利用にあたっては、お子さんを安全に保育できるよう疾患や障害、アレルギーなどを確認する必要があることから、対面による面談を行っています。 登録手続きの簡素化や共通化については、事業者等の意見を踏まえ、課題の洗い出しを行い、検討してまいります。