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2020.12.16一般質問報告② (養育費編)
【鹿島の質問】
ひとり親家庭の支援について伺います。
区ではこれまでひとり親家庭自立応援プロジェクトを立ち上げ、ひとり親家庭の生活、就労、子育ての3点を軸に総合的な支援に力を入れてきました。 また離婚手続きや養育費の確保などについて、弁護士の方と相談をできる体制整備や、コロナ禍で経済的な課題を抱えるひとり親世帯に対し、国に先駆け、給付金支給を実施するなど、支援の拡充に努めてきたことを評価します。
ひとり親家庭の抱える課題の中で、大きなウェイトを占めるものの一つが「養育費」です。区が実施した調査でも、養育費を受け取っている割合は全体の約2割に留まり、実際に取り決めがあっても、半分以上の家庭が養育費を受け取れていないことが明らかとなりました。養育費は子どもの権利であり、大人の事情で左右されることがあってはなりません。また養育費の未払いが、子どもと保護者の接する時間を奪っているという現状もあります。
そうした中、本年5月、実業家の前澤友作氏が養育費を安心して受け取れる新事業の展開を発表しました。一定の保証料を収めることにより、定期的な養育費の受け取りを約束する同サービスは、養育費の未払いに苦しむひとり親世帯にとっては大きな存在です。同様のサービスを提供する民間企業も複数登場しており、ひとり親家庭の経済的課題を解決する一つの柱になると考えます。しかしながら、その保証料がネックとなり、こうしたサービスを利用できない家庭も少なくないと推察します。区として、こうした保証料に対する助成を実施することにより、養育費未払いに苦しむ子どもや親を一人でも多く救っていくことが可能になると考えます。是非、取り組みを進めて頂くことを要望します。
【区の答弁】(福祉部長)
区は平成29年度からひとり親家庭自立応援プロジェクトを開始し、 自立支援プログラム事業や訪問型学習支援事業など、23区で最も多くの事業を実施しています。
養育費については、支払額や不払いの場合の対応など、ひとり親だけでは解決が困難な場合もある。国は、本年6月に養育費不払い解消に向けた検討会を設置し、9月に中間とりまとめを行い、法テラスに専用の相談ダイヤルを設けるなど、速やかに取り組むべき方策をまとめました。
区はこれまで養育費取り決めのパンフレットを作成するほか、昨年度から離婚前後の課題解決のための弁護士による相談を開始し、160件の利用がありました。 今年度は養育費確保支援を実施している自治体の事業内容や利用実績などを調査しました。その結果、養育費保証契約の保証料助成などの支援にニーズがあることが分かった。今後、先行自治体の取組を参考に検討をしてまいります。
2020.12.14一般質問ご報告① (子育てスタート応援券編)
【鹿島の質問】
子育てスタート応援券に関して伺います。
当事業は、我々の会派の提案を具現化する形で、平成21年からスタートして頂き、この間、メニューの拡充や有効期限の延長など、支援内容の充実を図ってきました。平成29年からは、それまで把握できていなかった利用率を取得するシステムを導入し、実際の利用状況の把握に努めて頂きました。支援の充実を一つひとつ着実に図ってきて頂いたことは一人の親としても感謝したいと思いますが、事業としてはまだまだ改善する余地があるというのが正直な感想です。昨年度の実績を確認すると、応援券を期限内に1枚でも利用したことがある方の割合、いわゆる利用者率は42.1%。また配布された8枚のうち、何枚が利用されたかの割合、いわゆる利用率は27.4%で、いずれも利用状況の把握を始めた平成29年から、徐々に微増傾向にあるものの、十分に活用頂いているとは言い難い状況です。まずはじめに、区は現在の利用実績の数値をどのように捉えていますでしょうか。また実績が振るわない要因をどのように分析しているか、2点お答えください。
私もこれまで、たびたび取り上げてきましたが、応援券を使わない理由として、「利用するまでの手続きが面倒」、「利用したいメニューが少ない」といった声が挙げられています。
応援券自体は、出生届提出後、約1週間ほどで、自宅に郵送されるので、特段の手続きは不要ですが、実際のサービスを利用する際は、利用するまでにいくつかの手続きが必要となります。例えば、ファミリーサポート事業に関しては、まず初めに「登録申請書の郵送」、その後、「利用したい日時の連絡」、さらに「援助会員との事前の顔合わせ」、といったように3つのステップをクリアしてようやく利用することが可能となります。乳幼児一時預かり事業に関しても、「利用登録をするための親子面談の予約」、その後、「登録申請書を記載の上、面談」という2つのステップが必要です。どちらも大切なお子さんを預かる事業なので、事前に顔合わせや面談等を実施し、お子さんの状態の把握や不安点の解消を図っておくことは、預ける側預かる側、双方にとって必要である点は理解できます。一方で、事前の登録書の郵送や面談の予約といったステップは、もっと簡素化できるのではないかと考えます。
産後はただでさえ、肉体的にも精神的にも大きな負荷がかかっています。食事や睡眠等、満足にすることが出来ない中で、書類の記載、切手の購入や郵送、面談予約の電話など、いくつものステップを乗り越えることは容易ではありません。またファミリーサポートと乳幼児一時預かり、それぞれ別々に書類を提出しなくてはいけない点も、利用者目線にたっているとは言えません。例えば、オンラインで登録が出来る仕組みとなっていれば、授乳中であっても、スマホ片手に登録を行うことが出来ます。また一時預かりとファミサポ共通のフォーマットとし、その場で、面談や顔合わせの希望日を申請できるようにすれば、利用までのハードルを格段に下げることができると思います。是非、こうした仕組みの導入を進めて頂くことを要望します。区のご所見をお聞かせください。
メニューの拡充に関しては、これまで私立保育園等が実施する一時預かりの追加を要望してきました。各園により条件が異なるといった課題があるとのことでしたが、利用券1枚の金額設定を行うことにより、解決することが可能と考えます。併せて、そうした仕組みを導入することにより、私立幼稚園が行うプレスクールや医療機関が実施するインフルエンザの予防接種の支払いに活用するといった可能性も広がります。是非、こうした視点からのメニューの拡充を提案いたしますが、区のお考えをお聞かせください。
子育てスタート応援券が、経済的な負担も含めて、子育てに関わるあらゆる負担を軽減させ、真にスムーズな育児の導入を応援できる制度となるよう、さらなる充実を期待します。
【区の答弁(教育長)】
子育てスタート応援券は、出産直後の不安や負担を軽減し、育児を円滑に進めることを目的とした事業です。応援券を1枚でも利用している方の割合は増加傾向にあるものの、令和元年度時点では42.1%に留まっています。利用者アンケート調査からは利用したいメニューが少ないことが、主な要因と捉えています。
支援メニューについては、ファミリーサポート事業と育児支援ヘルパー事業の2事業から順次拡大しており、今年度は利用者アンケート調査で希望の多かった産後ヨガ等の子育て支援講座を新たに加え、6事業となっています。今後、事業目的や区民ニーズを踏まえ、サービス提供事業者と協議を進め、支援メニューの充実を図ってまいります。
ファミリーサポート事業や乳幼児一時預かり事業の利用にあたっては、お子さんを安全に保育できるよう疾患や障害、アレルギーなどを確認する必要があることから、対面による面談を行っています。 登録手続きの簡素化や共通化については、事業者等の意見を踏まえ、課題の洗い出しを行い、検討してまいります。